姪っ子がまだ保育園児だったころ。
お取り寄せの大きくておいしそうなバームクーヘンが届きました。
早速、切り分けてみんなで食べよう♪となり、母(姪っ子からすると祖母)が
台所から切る物を持ってきました。
それが「こて」・・・。
(てこ?お好み焼きをひっくり返すときに使うあれです!)
えー!?
バームクーヘンを切るために出てきたのがそれ!?
手当たり次第、目の前にあったものを持ってきたのだろうとあきれながら
受け取ったのですが、母が
「バームクーヘンを切るのにはそれが一番いいのよ。」
と堂々と言う・・・。
私はまだあきれながら、姪っ子にそのこてを渡しました。
姪っ子が持つには程よい大きさ、そして危険度は包丁よりも低いから、
まぁいいかと思いながら。
そして姪っ子が切り始めたら・・・。
「均等」という事を知らない姪っ子はぶすっぶすっと、ただただこてを差し込んでいく。
確かに切れてるけど、均等じゃない!
やたら細いものもあるし、太いものもある。
やれやれと見ていたときに母が、
「好きな大きさを選べるねー!」
と一言!!
あーーーー!!!そうかーーーーー!!!!
ケーキを切るのはケーキナイフと思ってるけど、真ん中の穴の分だけ
差し引いた小さいものでもいいよね。
確かにこても切る道具であることにはかわりないよね。
ケーキを切るなら均等に・・・と勝手に決まりごとのように思ってたけど、
そうじゃなくていいよね。
大きいものを食べたい気分の人もいれば、少しだけでいい人もいる。
人数分より多ければおかわりもできるし、あとからまた切ってもいいんだ!
切り終えた姪っ子の満足げな顔!!
この顔の方が大事やんね!!
こんな母に育てられたから、今の私がいるんだなぁとしみじみ思った出来事でした。
恐らく母に意図的なものはないと思いますが・・・。